あらすじ
天才科学者であるセバスチャン・ケイン(ケヴィン・ベーコン)は、若干33歳にして、プロジェクトを率いている。彼らの研究は、すでに動物の透明化に成功していたが、元に戻すための血清がなかなか出来なかった。しかしある日、セバスチャンは血清を作り出すことに成功。動物(ゴリラ)を元に戻す。この結果は国防総省のクレイマー博士に、報告することになっていたが、彼はメンバーの意思に反して報告しなかった。報告すれば、研究を確実に乗っ取られると思ったため。しかし報告が遅れれば、プロジェクトの存続にもかかわる。そこでセバスチャンは自ら被験者となり、人体実験をすることに。メンバーからは反対されたが、実験が成功すれば、それこそノーベル賞もの。3日間限定、ということで、実験を行う。あわや心臓停止の危機を乗りきって、実験は見事成功。3日後血清を注射し、元に戻れば、世紀の大発明、ノーベル賞は確実!のはずが・・・。動物よりはるかに複雑なDNAを持つ人間には、血清が合わず、実験は失敗してしまう。元の姿に戻れないことに、次第に苛立ちを募らせていくセバスチャン。無断で研究所を抜け出したりと問題行動が多くなり、メンバーのリンダとマットは、クレイマーに事態を報告することに。しかし彼らが帰宅したあと、外で待ち構えていたセバスチャンは、クレイマーを殺害。通報されると築いたキャリアが終わるのを懸念し、彼は地下の研究所にメンバーたちを閉じ込め、あることを計画する・・・。
透明人間のリアルさに関して言えば、見事というしかありません。次第に体が消えていく過程、その逆の過程ともに、すごい。血管、骨、筋肉組織、内臓が少しずつ現れてくるシーンは、息を呑む描写です。途中から顔にマスクをかぶり、人間らしい格好をして町へ繰り出したりしますが、彼が透明人間である、ということに細部にまでこだわってシーンを作っています。誰かがいるけど目には見えない、そんな恐怖心も良く分かる。また、一人の人間の精神が、狂気に染まっていく過程も、姿の見えないケヴィン・ベーコンが怪演しています。
でもどうせなら、地下の研究所ですべてが終わるのではなく、町へ出かけて周辺の人々が大混乱するようなシーンも作ってほしかった。透明人間の存在を知るのが、ごく一部の人間だけ、というのは惜しいですよね・・・。
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